読書する女

本を読むこと以外、すべてのことを放棄してしまいたいエディター&ライター、Aliceによる本の話、日々のこと。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

BOOK008 『十階 短歌日記2007』 東直子

Amazon CAPTCHA この本を手にしたのは、東日本大震災の直後のことでした。 地震の後、日常を取り戻せず、本を読むことに意識的になることができずにいた数日の間の私を救った本が、2冊ありました。 その2冊のうちの1冊が、この『十階 短歌日記2007』です。…

今日のお買い上げ本。

買う本のほとんどは自分が読みたくて買う本ですが、読む本のほとんどは仕事の資料でてす。 時間は限られています。 読まなくてはならないお仕事本を優先せざるを得なくて、読みたくて買った本はなかなか手を付けられません。 とはいっても、仕事のために読ん…

BOOK007  『聞き出す力』 吉田豪

www.amazon.co.jp 著者の吉田豪さんと言えば、アイドルやタレント、格闘家などにインタビューをしている「プロインタビュアー」。その取材相手の数は1000人以上と言われています。本書は、時に「本人よりも本人に詳しい」といわれる綿密な下調べをもとに構成…

今日のお買い上げ本。

読書する女である以上、本を買う女でもあるわけなのです。 毎日のようにとまでは言いませんが、とにかく足繫く本屋さんに通い、新刊、古書問わず本を買い求めています。 仕事の資料も含めれば、どの数はかなりの量になるはずです。 というわけで、今日のお買…

地道に、地道に。

日本人が受賞したり、例年のとおり村上春樹が逃した文学賞とボブ・ディランがどうするのか注目を集めたり、ノーベル賞にまつわる話題がマスコミをにぎわしている今日このごろ。 受賞した方々は、決して派手な研究をなさっていたわけではなくどちらかというと…

WORD002 男という生物は、生涯で幾度……。

「君以外の女は僕の興味をひかない」と彼は言った。 『恋しくて』村上春樹編・訳より www.amazon.co.jp 男という生き物が、この手の嘘を人生で何度くらいつくものなのか、ぜひ誰か調査していただき、平均値を出してもらいたいものです。 ただ、本当に自分以…

WORDS001 捨てられない理由。

古い本には確かに何かがこもっている気がする。 読んだ人の思いだろうか。 そこに記された言葉にやどる力だろうか。 あるいは年月を経たものは、ただそれだけで魂のようなものを宿すのだろうか。 『九つの物語』橋本紡著より抜粋 Amazon CAPTCHA 私は、本を…

LITTLE PRESS002 『モジ便り vol1 特集・モジと仕事』

私にとって文字は、自分のみならず取材でお会いした誰かの思いや考えを伝えるための大事な大事なツールです。 文字を「書く」よりも「打つ」ことの方が圧倒的に増えてきた昨今。 それでも、手紙を書いたり、お仕事でゲラに校正の赤字を書き込むときは手書き…

BOOK006 『かけら』 青山七恵

www.amazon.co.jp 川端康成賞を受賞した、表題作を含む3編の短編集が収められた1冊。 どの作品を読んでも心がざわりとさせられ、秀逸です。 父親と娘の感情のやりとりを描いた表題作は、同じ年頃の娘だった時代を思い出しながら、自分自身と父との関係に複雑…

ふわふわ日和。

お洗濯日和な今日。 いつも使っている羽毛布団を干そうとしたら、なにをどうしてしまったのか、どこかに穴をあけてしまったようで、中から羽毛がふわふわ出てきます。お休みのはずだった昨日も取材になって、ハードワークの疲れがたまって少しばかり熱がある…

LITTLE PRESS001 『10 essays』 松浦弥太郎

松浦弥太郎さんといえば、現在はクックパッドにお勤め(のはず)ですが、その前は『暮しの手帖』編集長。 つまりは、私の直属の常時だったわけです。 でも、実は編集長と編集者として出会う前から、それこそ15年くらい前、移動古書店をなさっている頃から、W…

外ランチで、なにが変わる?

電通の女性社員の方が自殺した話題が世間を賑わせた、この連休。自分の働き方についても、あれこれ考えてみました。私がいまお仕事をしているビルには、社食が入っています。 だから、ほぼ毎日、エレベーターで数階下ったところにある社食でランチをいただく…

「LITTLE PRESSS」はじめます。

新コーナー設立です。 私がリトルプレスを集め始めたのは、もうかれこれ、15年くらい前のこと。 その頃は、今みたいにリトルプレスの認知度は高くなく、書店で手に入るものも限られていました。 というよりも、書店ではほぼ販売されていなかったので、ネット…

元・祝日。

今日は、10月10日。 数年前までは今年のように体育の日として、10日がなん曜日だろうと、祝日になっていた日です。 なるべく連休を増やすようにということで、祝日が日にちではなくて、●月の第●月曜日という決め方をするようになって、長らく10日じゃなくて…

私設図書館構想。

本の管理目的で登録している“読書メーター”によると、現在の私の積ん読本は743冊だそうです。この数字は、新刊書店で購入して未読の本のみがカウントされたもの。この他にも、読み終わった本と古書、リトルプレスもたんまりと……。しかも、忙しさを理由にかれ…

BOOK005 『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』 柴崎友香

www.amazon.co.jp 実は、大学を卒業して間もないころにハードカバーで読んでいるこの本。 本屋さんで見かけて、なんとなく懐かしい気分にかられたので、再び手に取ることにしました。 この本に収録されているのは、2つの物語。 1つめは本のタイトルになっ…

楽しいふりは、もうやめた。

まだまだ若くて、いろんなことが子どもだったころ毎日が楽しくないといけないと思っていたし、楽しくしていないと、ダサいような気がして一生懸命、楽しい毎日を送っている人のふり、をしていました。混乱と混沌にどっぷりとはまり込んでいるような日々を経…

出会った言葉。

先日、読んでいた本の中で、こんな文章に出くわしました。“人間というものは、恋をするとわずらわしいことばかりが、増えていく。どちらかといえば、恋なんてしないほうが、物事はわかりやすかったのに違いない”たしかにその通りだと思います。恋に落ちてし…

BOOK004 『初恋Book』 初恋委員会編

www.amazon.co.jp 初恋、と言えば、島崎藤村の“まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき~”が思い浮かぶ私人も多い(少なくとも、私はそう)と思いますが、本書はまったく島崎藤村とは関係ありません。 2009年の4月に行われた『初恋展』という展示をも…

花森安治さんの 実用文十訓

NHKの朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」が今日最終回を迎えたようです。 私は、一度も見ませんでした。 理由は「とと姉ちゃん」のモデルになった、『暮しの手帖』の大橋鎭子さんのことを知っていたので、そのイメージが壊れてしまう気がして、ちょっと怖か…