読書する女

本を読むこと以外、すべてのことを放棄してしまいたいエディター&ライター、Aliceによる本の話、日々のこと。

ブログに書くこと、今昔。

私がつくった最初のブログは、yahooブログでした。

就職活動に失敗して、なりたかった出版社は全滅、どうにもならない閉塞感にどっぷりとはまっていた時期なので、今から20年弱前のことだと記憶しています。

もちろんTwitterFacebookがない時代のことです。

 

当時多くの人がブログに書いていたのは、ささやかな日常や趣味のこと。

いまほど書くことに慣れている人が多くなかったし、携帯で撮影できる写真にも限界がありました。

ブログを通じて、共通の趣味や興味のある事柄についてやり取りすることにも、おっかなびっくり。

もちろんすべてとは言わないけれど、大半のブログがふんわりしていて、ルールも秩序も守られていたような気がします。

そして、「自分のまわりのささやかな世界」を書く人がほとんどだった印象です。

 

時が経って、TwitterFacebookが発信の主流となり、私もその流れに乗ってブログを書くことをやめました。

でもしばらくすると、Twitterの140文字という制限から解き放たれて書きたいこと、記録しておきたいことも存在することに改めて気づきます。

そして3年ぶりくらいに、ブログの世界に戻ってきた次第です。

 

戻ってきた私が書いているブログは、はじめてのブログと同じように、私のささやかな日常と、感じた、読んだ、聞いた、触れた、味わった、知ったこと、そしてそれらによって呼び起された感情についてです。

そして、読まずにはいられない本の話。

 

ところがです、ほかの方が書いてらっしゃるブログを見て、びっくりしました。

今どき、私みたいな話を書いているブログは、ほとんど見当たりません。

多くが

時事ネタ。

役に立つ情報

ビジネスにつながる話題。

です。

 

ブログを通じて、なにかを成し遂げたい。

著名な書き手になりたい。

お金儲けにつながればいい。

そんな思いが、たくさんあふれて、詰まっているように感じられます。

 

あらまぁ、ちょっと見ないうちに、すっかり変っちゃって……。

小さいころに一度だけ会ったことがある親戚の子どもに、思春期くらいになって再会したときのような台詞が口をついて出たほどでした。

 

だからといって、私は書くことを変えません。

私にとって「ブログで書く」ことの意味は前述のとおり、私のささやかな日常と、感じた、読んだ、聞いた、触れた、味わった、知ったこと、そしてそれらによって呼び起された感情と本の話です。

これって、その時その時の自分の記録がこのブログだということ。

時事的なことにも、ビジネスでうまくいくコツも、役に立つ最新情報も、自己啓発的な話も、私の記録にはなりませんもの。

 

多くのブログみたいに、私の書くものは役には立たないし、お金儲けにもなりません。

他人が読んでおもしろいと感じるものでもないので、アクセスはとっても少ないです。

でもそれでいいのです。

 

編集&ライターの仕事をしていると、話を聞かせてくれた人(取材対象者)の気持ちがどうやったら読者により伝わるか、どんなふう書けば取材対象者や取材テーマに興味をもってもらえるか、どうすれば読者がおもしろく読んでくれるかなどなど、自分以外の誰かのことばかり考えながら文章を書いています。

だからこそ、誰かのことを考えずに書ける場所が、私には必要なのかもしれません。

 

ブログの潮流、今昔。

私のブログの、今昔。

どんなにまわりが変わっても、変われない、変わりたくないこともあるのです。