Words011 まとわりつくものたち。
仕方のないことって、どうしてこう、人生にまとわりついてくるんだろう、とため息をつきそうになった。
『さようなら窓』 東直子 より引用
そう、たしかに、仕方のないことはまとわりついてきます。
困ったな、煩わしいなと思っていても、まとわりつく。
仕方がないと思いながら、仕方がないってすっぱりと割り切ることができなくて、まとわりつかれて、うんざりしてしまうものです。
でも考えてみたら、人生なんて仕方がないものによって8割がた作られているのではないでしょうか。
まとわりつかれてうんざりしながら、進み続けていくってことが、生きるということ。
いつの間にか、自力で、もしくは他力のおかげで振り払われた「仕方のないもの」が経験として自分のなかに積み重なっていかないと、成長も進歩もできないのも事実です。
通り過ぎていった「仕方のないものたち」の結晶が私だとしたら、いま抱えている「仕方のないもの」も愛おしく思えてこないでしょうか。