読書する女

本を読むこと以外、すべてのことを放棄してしまいたいエディター&ライター、Aliceによる本の話、日々のこと。

さようなら。こんにちは。

このところ、いろいろなことを心機一転させるような機会があり、あれやこれやに思いを馳せていました。

そして見つけた答えを忘れないように、ここに記しておくことにします。

 

実は、いまから5年くらい前の私はプライベートもお仕事も、経済状態も混沌を極めていて、ぐちゃぐちゃな状態でした。

そこからなんとか這い上がり、不思議なご縁やありがたいご縁が重なって、いまの私がいます。

プライベートもお仕事も経済状態も、その頃に比べれば、だいぶ落ち着いてきました。

 

ところが、人という生き物は不思議なもので、落ち着いてくると欲が出ます。

もっとこんな仕事をしたい。

もっとこんな素敵なものが欲しい……。

そして、欲と一緒に拒否感も抱くようになるのです。

最初は「あんなに大変な状態だったのだから、ありがたい」と感謝をもって受け取っていたものでも、いつのまにか「これくらいのことは、我慢しなくちゃ」という感情を抱くようになりました。

そして更に時間が経って、いまでは「どうしても、これはイヤ」とまで思うようになってしまうのですから、私も薄情な人間です。

 

たしかに薄情なのでしょう。

でも少し見方を変えてみたら、あの混沌とした時期を経て、いま私はゼロになったということなのではないかと思うのです。

編集者になり、ただがむしゃらにいろいろなものを積み上げデコボコしていた私が、混沌にどっぷり嵌り七転八倒するなかで、経験も混沌も全部ぐちゃぐちゃにして、まっさらな私になったとでもいうのでしょうか。

地ならしができた感じです。

 

仕事を拡げなきゃ、深めなきゃ、とあれこれ作戦を練ったり、企画をあれこれ考えたり、「混沌」と「経験」を均すための日々にさようなら。

そして、地ならしを終え、また種をまいたり、咲かせたり、手と足と頭と心を使って動き出す日々よ、こんにちは。