読書する女

本を読むこと以外、すべてのことを放棄してしまいたいエディター&ライター、Aliceによる本の話、日々のこと。

いつかのお買い上げ本。

年末進行で忙殺されていて本を読む時間がないのに、買わずにいられなかった、ちょっと前のお買い上げ本。

 
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⚫『あひる』今村夏子  書肆侃侃房

書肆侃侃房さんが発行している文芸誌「食べるのが遅い」に掲載された、表題作とほか2篇が収録された短編集。

「あひる」は、芥川賞候補作になった作品です。

今村夏子さんは2010年に上梓した『こちらあみ子』でその、静かながら熱情も孕んだ筆致と世界観に魅せられて、大好きな作家さんの1人になった方。

『こちらあみ子』以来6年ぶりの単行本ということで、楽しみにしています。

 

⚫『万年筆とインク紙』片岡義男 晶文社

最近では、“文章を書く”と言っても、正確にはパソコンやスマホで“打つ”ことが多くなりました。

それでもやっぱり手書きが好きで、ブルーブラックインクの万年筆を、ペン先の太さ別に3本持ち歩いている私。

書くことを改めて見つめなおすという片岡義男さんの試み、ぜひ読みたくなりました。

 

⚫『ココアどこ  わたしはゴマだれ』高山なおみ スイセイ 河出書房新社

それぞれがそれぞれのしたいことができるようにと、夫のスイセイさんと住まいを別にした高山なおみさん。

ますます、その仕事ぶりが気になるところです。

別居中のスイセイさんとの共著。

一度お仕事をご一緒したときに、高山なおみさんがスイセイさんを語ったときの、声や表情 

言葉を思い出しながら手に取りました。

 

⚫『処刑人』シャーリィ・ジャクソン 創元推理文庫

『ずっとお城で暮らしてる』を初めて読んだときの衝撃が忘れられず、読みつづけているシャーリィ・ジャクソン。

狂気に囚われた人を描くことで定評のあるシャーリィ・ジャクソンですが、彼女の書く作品のゴシックホラー的要素が、私には堪らないのです。

大好物です。

このところ再評価されているのか、新しい作品が書籍化されることが増えている気がします(彼女は既に亡くなっていて、新しい作品が発表されている訳ではないのにね)。

これまた大好きな合田ノブヨさんによる表紙画も素敵。

年末年始に読むのが楽しみな1冊です。