読書する女

本を読むこと以外、すべてのことを放棄してしまいたいエディター&ライター、Aliceによる本の話、日々のこと。

WORD008 自分らしさの正体。

「誰ぞを手本とし、その誰ぞのように生きようとすることはあっても、己のごとくに生きようとは、人は思うたりはせぬものだ」

 

陰陽師 瀧夜叉姫 上』夢枕獏著より抜粋

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私らしい生き方、私らしい仕事、自分探し、なんて言葉が氾濫していています。

その結果、たとえ自分を見つけたとしても

「それって本当に自分らしさなのかしら?」

と疑問に思うことがあるのです。

結局は、憧れの誰かのあとを追っかけているだけなんじゃいかしら? と。

どんな自分らしくいるつもりでも、知らず知らずのうちに、誰かの真似をしている人は多いのではないでしょうか。

 

自分らしさはそんな簡単に見つかるものではないし、もしかしたら、そもそも自分らしさなんてものは「ない」のかもしれません。

環境や交友関係が変われば、自分自身も自然と変わっていくもの。

まわりが変わっても、頑なに変わらないものが、本当に自分らしさなのでしょうか。

やわらかく変化させられることも、大きな大きな美徳です。

 

ただがむしゃらに自分らしさを見つけようとして迷路に入り込むくらいなら、まずは、周囲に尊敬できる人、目標になる人を見つけて、自分をしなやかに変化させることからはじめたほうが、自分探しの近道になることだってあるでしょう。

その人たちに近づこうと悪戦苦闘をつづける中で、意味の自分らしさのカケラを見つければいい。

幸運なことに、カケラを手にすることができた人は、それを大切に育ていけばいいのです。