読書する女

本を読むこと以外、すべてのことを放棄してしまいたいエディター&ライター、Aliceによる本の話、日々のこと。

BOOK013 『 ちょっと具合のわるいときの食事』 日野原重明 東畑朝子

Amazon CAPTCHA つい数時間前に、いまはインプットの時期だからブログの更新はしませんと書いたばかりですが、舌の根も乾かぬうちに本を1冊ご紹介です。 あの、日野原重明先生監修の『 ちょっと具合のわるいときの食事』です。 世間のお休みと関係なく、今日…

いまはインプットの時期。

相変わらず本も買っているし、読んでもいます。 通年より早めに年末年始のお休みをいただいたので、時間もゆるりと流れています。 でも、ブログの更新はしていません。 なぜなら、いまはインプットの時期だと感じているからです。 どちらかというと私は、計…

WORDS009 最も効果的な復讐の方法とは。

君の幸せだけが、君に起きたいろんなことに対する復讐なんだ。 『彼女について』よしもとばなな より抜粋 Amazon CAPTCHA よしもとばななさんの小説のなかで、このフレーズが登場するのは重みのあるシーンなのだけれど、程度の差こそあれ、私のような人間に…

BOOK012 『布じまん』 大谷マキ

Amazon CAPTCHA 会社に置かれた「ご自由にお持ちください」箱に入れられていたのが目に入って、持って帰ってきた1冊です。 この「布じまん」はお裁縫の本でも、刺繍の本でもありません。 暮らしの中の1シーンで使われている布、布のある光景が切り取られた…

今日のお買い上げ本。

今年の仕事の山を越えたので、 「本を読むのだー!」 「本が読めるぞー!」 と、読書欲とお買い上げ熱でぐつぐつと煮立ったようになりながら本屋さんへ。 そして買ったのが、こちらです。 ⚫「つるとはな 4号」 「クウネル」リニューアル後、唯一、毎号購入…

いつかのお買い上げ本。

年末進行で忙殺されていて本を読む時間がないのに、買わずにいられなかった、ちょっと前のお買い上げ本。 ⚫『あひる』今村夏子 書肆侃侃房 書肆侃侃房さんが発行している文芸誌「食べるのが遅い」に掲載された、表題作とほか2篇が収録された短編集。 「あひ…

WORD008 自分らしさの正体。

「誰ぞを手本とし、その誰ぞのように生きようとすることはあっても、己のごとくに生きようとは、人は思うたりはせぬものだ」 『陰陽師 瀧夜叉姫 上』夢枕獏著より抜粋 Amazon CAPTCHA 私らしい生き方、私らしい仕事、自分探し、なんて言葉が氾濫していていま…

いつかのお買い上げ本。

年末進行の忙しさのなかで、時間を見つけては本屋さんにいって、積読の山の高度を上げつづけておりました。 ということで、いつかのお買い上げ本。 ●『ずっと独身でいるつもり?』KKベストセラーズ ●『東京を生きる』大和書房 ●『女の子よ銃を取れ』ポット出…

どうして年明け早々、本屋さんに最新号の雑誌が並んでいるのか。

出版業界には、“年末進行”というのがありまして、師走になりお経をあげるために、東西を馳せる師匠の僧と同じくらい、いいえ、もしかしたらそれ以上、関係者は忙しい日々を過ごすことになります。 「年末進行ってなに?」という方にご説明しましょう。 年末…

BOOK011 『お皿監視人』 ハンス・ツィッパート

Amazon CAPTCHA ミヒャエル・ゾーヴァの絵にひかれて手にしたのだけれど、思いのほかお話も楽しくて、何度も読み直している作品です。 お天気は人々が出された食事を残すか、きれいに食べ切るかで決まっているという設定の物語。 そんなお天気とご飯の因果関…

玄関に置かれた火鉢。

編集や執筆の仕事をしていると、パソコンの前でずっと調べ物をしたり、原稿を書いたり、資料を読んだりしている時間が多くなるので日々、運動不足を感じます。という訳で、今日は自宅から徒歩30分くらいのところにある亡き祖父母の家のあった街まで歩いて…

数日前のお買い上げ本。

木曜日の夜に勃発したトラブルが原因でバタバタしていたので、郵便物を開いたりする時間がなかったのですが、インターネットで注文していた本が届いていました。 なので、数日前のお買い上げ本ということになりますね。 ⚫「草獅子 vol1」双子のライオン堂 …

BOOK010 『雪だるまの雪子ちゃん』 江國香織

Amazon CAPTCHA 54年ぶりに11月の東京に雪が降る、というニュースを聞き、読み返しました。 人が積もった雪で作ったた“人工的”な雪だるまではなく、“野生”の雪だるまの女の子、雪子ちゃんを主人公にしたお話です。 冒頭に出てくるこの野生の雪だるまという言…

今日のいただき本。

お手伝いしている某女性誌の編集部には、書評ページに取り上げてもらおうといろいろな出版社から大量の本が送られてきます。 残念ながら書評で取り上げられなかった本は、 「ご自由にお持ちください」 というメモ紙の貼られた段ボール箱に入れられ、定期的に…

クラフト・エヴィング商會のこと②

私とクラフト・エヴィング商會さんとのちょっとしたご縁について書いた 「クラフト・エヴィング商會のこと」 woman-reading.hatenadiary.jp の続きを書こうと思います。 クラフト・エヴィング商會さんとお仕事をするために、文芸編集者になるぞ!と決意して…

WORDS007 愛するほどに、苦しくなる。

人ときちんと向き合いたいと思えば思うほど、執着ばかりが深まって、私はどこかおかしくなってしまう。 愛情ではなく、憎しみばかりを育ててしまう。 『長い予感』 小川内初枝著より Amazon CAPTCHA 愛情と憎しみは裏返し、なんてことよく言われる言葉だけれ…

今日のお買い上げ本。

ライターの雨宮まみさんが亡くなったのが、数日前。 Twitterのタイムラインが、彼女の死に絶望し、悲嘆にくれる様子を追いかけながら、いままで手にしたことのなかったその著作を買ってみようと思いました。 というわけで、本日のお買い上げ本です。 ●『女子…

今日のお買い上げ本。

お仕事資料のなかには、もうすでに絶版になっているものもよくあります。 そんなときは古書の検索サイト「日本の古本屋」やAmazonマーケットプレイスなどで大捜索。 今回の本はそんなに古い本ではないので、すぐに見つかりました。 仕事の資料だけではなく、…

WORD006 終わることでしか救われない恋がある。

終わることが最悪ではない恋もある。 『恋ばっかりもしてられない』佐藤真由美著より Amazon CAPTCHA 別れたくない恋人との恋を終えなければいけなくなったとき、「なんて悲しいんだろう」と人は思い、人生のどん底に突き落とされたような気分になるものです…

今日のお買い上げ本。

街の本屋さんが次々となくなる一方で、新たな雑誌も生まれています。 できるだけ、自分の足で本屋さんに行って買い求めるのが心情ですが、生まれたばかりの雑誌は大手書店さんにしか配本されないことも……。 そんなときは、Amazonも有効利用します。 というわ…

今日のお買い上げ本。

大手町界隈の本屋さんを2軒はしごして、買い求めたのはこの3冊。 ●『きみの言い訳は最高の芸術』最果タヒ 河出書房新社 詩人・最果タヒさんのはじめてのエッセイ集。 彼女が訳しているからという理由で本を買ってしまうことがあるくらい好きな翻訳家、岸本佐…

クラフト・エヴィング商會のこと。

とろりと濃密な恋愛小説が読みたい気分なのに、手元にあるなかにはしっくりとくる本が見つからず、積読の山をひっくり返していたところ、作家・吉田篤弘さんの著作がごそっと出てきました。 吉田篤弘さんは、個人名義で作家活動をなさる前、クラフト・エヴィ…

役に立たない。

私がこのブログを立ち上げたのは、9月23日のこと。 1ヵ月半くらい経ちました。 この間、1日のアクセス数は100を越え、読者という方も149人に。 これだけ急激にアクセス数や読者が増えるという経験はないことなので、戸惑っているというのが正直なところです…

BOOK009 『エプロンで過ごす毎日。』 高尾汀

Amazon CAPTCHA ずっと自宅暮らしでお料理は母に任せきりだった私が、エプロンに目覚めたのは『暮しの手帖』で編集をすることになった頃です。 なぜなら『暮しの手帖』では、お料理ページの取材のときに編集さんもエプロンをつけて現場に臨むからです。 そし…

今日のお買い上げ本。

今日は、東中野にあります「プリシラブックス」 洋書絵本や古本をお探しなら東京のプリシラブックスへ に行ってきました。 住宅街を歩いていると突如あらわれるこのお店は、雑誌や絵本、洋書から単行本、岡崎京子さんのコミックまで、女性のための古本を専門…

WORDS005 驕りゆく女と落ちていく男。

「かわいそうだたあ、惚れたってことよ」って映画の台詞にあったと思う。 『今日もやっぱり処女でした』 夏石鈴子著より抜粋 www.amazon.co.jp 私もかつて、「この人、かわいそうだなあ」と思いながら、ある男性とお付き合いをしていたことがありました。 「…

WORDS004 キャリアウーマンになんて、なりたくなかった。

結婚せずにずーっと働いてると、仕事に生きる女だと思われる。 そんなことないです。食っていくために、働いているだけですよ。 みんな、そうでしょう。 「恋愛嫌い」平安寿子著より抜粋 Amazon CAPTCHA 食べるには、お金が必要。 たまには、おしゃれがした…

今日のお買い上げ本。

お仕事終わりに、東京駅近くOAZOのなかにある丸善でお買い物です。 今日のお買い上げ本は2冊。 ⚫『 世界のへんな肉』白石あづさ 新潮社刊 某編集部に書評用に送られて来ていたものを、パラパラ読んだらおもしろそうだったので、買うことにしました。 アルマ…

あなたのカケラ。

かつて、のめり込むように読んでいた作家さん。 今でも新刊が出ればすぐに飛びつくように読んでいる作家さんもいれば、いつのまには読まなくなっていった作家さんもいます。 そして、「最近、新刊出ないな」と思っているうちに、数年が経ち、もう書くのを辞…

WORDS003 男を選ぶ基準。

自分のことしか愛せない人とつきあうなんて、そこまで頭悪くない。 『千年の祈り』イーユン・リーより抜粋 Amazon CAPTCHA 付き合う男、結婚する男、をめぐって女たちはそれぞれ、理想や譲れないポイントを決めているものです。 なかでも、この「自分のこと…